毎回1冊お金教育関連の本を読み、私自身のエピソードや感想を書き残します。
#1 「6歳からのお金教育」
【今回読んだ本】
八木陽子著『お金は子どもに預けなさい*6歳からの金融リテラシー講座』
⚫︎私の初めてのお小遣い
皆さんは何歳からお小遣いをもらいましたか?
私自身は、小学一年生(6歳になる年)で月1000円のお小遣いからスタートしました。同じ学齢の子と比べたら多い方でした。この時、父から言われたことを、よく覚えています。
「これはお金の勉強だからよく考えて。すぐに好きなものを買うこともできるし、貯めておいて高いものを買うこともできる。もしも貯めるなら、『お父さん銀行』に預けておけば他の銀行より良い金利でお金を増やすこともできる」と。
でも私はお小遣いをもらったことが嬉しくて、すぐに使いたくて、近くのスーパーに行くと、「1000円で買える一番高い文具」を買ってしまいました。すごく欲しいわけでも、必要なものでもありませんでした。
しかし父はそれを咎めず、黙って見守ってくれました。
そのあとのお小遣いをどのように使ったのかは、よく覚えていません。でもきっと、期待に反した使い方をしていたのでしょう。なぜならその後、私のお小遣いは6年生になっても数百円しか上がらなかったのです。中学生になる頃には、周りの子よりお小遣いが少なくなっていました。
それでも、お手伝いをすることでお小遣いを少しもらえたので、私の特性に合わせて、ちょうどいい具合に設定されていたのかもしれません。
⚫︎父からのマネー教育
私の父は個人事業主で、自宅を兼ねた建物で飲食店を経営していたので、お金がどのようにして我が家に入ってくるのかや、両親が懸命に働く姿などは、幼少から身近に見て知っていました。
振り返ってみると、私は自然と父から金銭教育を受けていたのです。
【父の金銭教育】
- お年玉を「お父さん銀行」に預けて増やすこと。
- 子供のお金の使い方にあえて口を突っ込みすぎず見守ること(失敗を経験させる)。
- 貯蓄は残ったお金を当てるではなく、収入から最初にとっておくこと。
- (大学生になってアルバイトを始めた頃)お金を貯めたら、普段使わない預金の一部で、配当利回りの良い株を買っておくこと。
- 銀行の本当の仕事は預金を預かることではないこと。良い借金と悪い借金があること。
- お金を使う時には、その使い方が「消費」なのか「経費または投資」なのか考えること。
学費は投資。高校時代に留学させてもらったり、私立大学に行ったり、お金がかかることを少し心配したのですが、父は私への投資だからと応援してくれました。現在、語学はほとんど使わずに暮らしていますが、留学で為替や金融事情の違いを体験できたことは人生の役に立っています。
他にも、父は「この本が面白かったから、よかったら読んでみな」と、お金関係の本を勧めてくれました。(株式関係の本をはじめ、個人事業主が頼るべきは都市銀より地元の信用金庫!といった内容の本など)
私は数字が苦手でズボラな性格ですが、本を読むのは好きな方なので、勧められればお金関係の本もよく読みました。
「お小遣い帳を1円単位で帳尻を合わせないとダメ」とか、「数字が苦手だからお金の管理ができない」ということはありません。
父のおかげで私は、少ない収入なら少ない収入なりに、ちゃんと税金を払い、貯蓄用と資産運用と生活費を分けて暮らすことができました。
私が今このように「お金の教育は大事!」と熱意を持って発信しているのは、父が信念を持って私に教えてくれたことだからです。
そういうわけで、デビュー作の絵本の奥付けに、父への感謝を献辞で入れさせてもらいました。
そして何より、自分自身が母親になり、私よりもさらに数字が苦手な息子に、「これからどうやって真っ当な金銭感覚を養おうか、トライ&エラーを繰り返している最中」だからです。😓
息子にも、自分と同じように6歳でお小遣いをスタートさせましたが、現在のところ、正直あまりスムーズにはできておりません。(息子の話はまた後日としますね)
でも「だからこそ」問題意識はあると、とりあえずプラスに考えておきましょう。
⚫︎ 八木陽子著『お金は子どもに預けなさい*6歳からの金融リテラシー講座』
発行が2009年なので、まだ子供への金銭教育をタブー視する人もいた頃の、先駆けとも言える一冊でしょうか。
子供のマネーセンスを養うには、ただお小遣いを渡すだけ=「渡しっぱなし」では不十分です。
親自身もお金についてよく考え、学び、子供の失敗を見守ったり、考えるきっかけとなる声がけをしたり、お金についてごまかしではない対話を子どもとしていく大切さ、具体例などが書かれた良書です。
私はこの本を読んで、6歳だった自分自身を思い出すとともに、現在8歳の息子とのリアルな問題にも、いくつかのアイデアを得ることができました。
そして、八木先生の本は、他の本でもそうですが、小手先の金融知識や「お金があればいい」といった内容ではなく、「子供の夢や興味を応援することの大切さ」や「幸せな人生、お金との付き合い方を考えよう」といった芯の通ったメッセージを発信されている点に、私はとても感銘を受けています。
八木先生にまだ直接お会いしたことはないのですが、私からお願いをし、11月に発売される拙著『ビーバーとどろぼうのすてきなひろいもの』に、八木先生から推薦コメントをいただけることとなりました。表紙に掲載されます。
ご縁をいただき感謝感激です。何よりも憧れの八木先生に応援していただけることが嬉しいです。ありがとうございます!
いただいた応援に報いることができるよう、頑張ります。そして良い縁が周りにもどんどんつながっていきますように🙏
今回は、私自身のエピソードを交えて書きました。11月ごろには「私の息子のお小遣い」について、波乱の現状報告を書きたいと思います。