毎回1冊、お金の教育関連本を紹介し、私自身のエピソードや感想を書き残します。
#3「我が家のお小遣い(苦戦中)」
【今回の本】
八木陽子 監修『10歳から知っておきたいお金の心得〜大切なのは、稼ぎ方・使い方・考え方 』
⚫︎子どものお小遣い
皆さんは、お子さんにお小遣いをあげていますか?何歳からはじめましたか?
私自身の話は#1で書いたのですが、小学一年生で月1000円のお小遣いからスタートしました。勉強のためのお小遣いだよ、と言われたのを思い出します。
なので、自分の息子にも、自分と同じ小学校1年生の4月からお小遣い制度を導入しました。・・・が、実のところ、決してうまく行っていません。そんな状況も書き残していいかなと(⌒-⌒; )
⚫︎お小遣いに込めた願い
私はかなりの「ズボラママ」です。でもうまくいかないことが多いからこそ、子育て関係の本には手が伸びてしまいます。
息子がまだ小学校に上がる前、『10歳から知っておきたいお金の心得〜大切なのは、稼ぎ方・使い方・考え方 』と言う本が目に止まり、評判も良いので購入しました。
内容はタイトル通り、お金のことを子供向けにわかりやすくまとめたものなのですが、ハッとしたのは「はじめに」と「おわりに」でした。なぜなら、「願い」が込められていたのです。
とても素敵な文章でした✨
すっかりファンになってしまった私は、息子に初めてのお小遣いを渡す前に、この文を読み聞かせたほどです。ぜひ読んでみてください。
この本は、私の絵本『ビーバーとどろぼうのすてきなひろいもの』にも大きな影響を与えています。
⚫︎お小遣いを4つに分ける
『10歳から知っておきたいお金の心得』では、お小遣いを4つに分ける方法を紹介しており、私もその方法を採用することにしました。
「①貯金する分」「②使って良い分」に分けるという方法はわかりやすいですね。
さらに「③増やす分」(大人になったら利息の高い銀行に預けたり、投資する)というのも、家庭によってはもしかしたらすでにやっている方法かもしれません。私が子供の頃は、父がお金を預かって高利息をつけてくれる「お父さん銀行」をやってくれました。
もう一つは「④人のために使うお金」が提案されていて、これには「ほお!」と感心ました。例えば、家族や友達のお誕生日などが該当します。これを①②と区別して貯めるのは良いと思いました。将来的には税金や社会保障、寄付といった位置付けとして考えられます。
こうして息子が小学校に上がった4月。私は①「壊さない限り開けられない貯金箱」、②「子供用財布」、③「お母さん銀行の袋と通帳」、④「開けられる貯金箱と通帳」の4つを用意しました。
額面1000円のお小遣いを4つに分ける配分は①200円、②500円、③100円&利子10%、④200円。
さらに、お金の説明をするために、すべての小銭を10枚、お札を各1枚用意し、満を持してお小遣いをスタートさせたのですが……。
⚫︎挫折しつつも継続
結論から言うと、「子供がお金に興味を持つ前に、親のタイミングでお小遣いを始めた」のがあまりよくなかったかもしれません。
最初、息子はお金をもらうと「即日全部」使いたがり、それは私自身の身に覚えがあるのでOKとして見守るばかりでした。しかし彼はやがて、お小遣い日も、お小遣いが存在することも、すっかり忘れ去ってしまったのです。小学一年生当時、本人にとってお金はまだ興味が薄く、さらに、なんだかんだと欲しいものは父親が買い与えてしまう悪習慣。そして発達凸凹くんでもあるので、「数の概念が弱い」といった事情もありました。
それでも私は黙々と、決めた通りお小遣い4分割を毎月続け、外出時に子どもが何かを欲しがった時には本人のお財布(②)から出させるようにしました。
合計やお釣りを計算させようにも、息子は数字が苦手で、苦難の連続ではありますが、だからといってお金を触る機会がないよりは良いかと思います。
ただ、こどもにお金を渡すやり方は他にも検討の余地がありそうです。定額制でお小遣いを渡す方法だけでなく、お手伝いに応じて渡す「報酬制」を取り入れたり、最近では「プレゼンテーション制」で親を納得させることができたら必要なお金を出す、というのも良いですね。今後検討したいものです。
時期も渡し方も人ぞれぞれ、家庭の事情もそれぞれ。「最善なやり方」はそれぞれに模索してみましょう。
⚫︎良かったこと&母の作戦
4つに分ける方法を継続して、私でも「おぉ」と思ったのは、増やすお金。毎月100円を複利10%で1年間貯める(③)と、かなりザックザクになります!
計算すれば数字上はわかりきったことなのですが、利息分をきっちり小銭で追加したので、視覚的にインパクト大!
2年生になった息子に見せると、素直に喜んでくれました。金利の意味はわかってもらえてなさそうですが、「お金は増やすことができるだよ」という話は一応いたしました。(その後は元金が増えたことですし、2年目から金利を1%に変更)
また、この「お小遣いを4つに分ける制度」の利点の一つは、「親の裁量で決めれば良い」ところだと思います。(つまり、あげっぱなしではなく、調整の余地がある)
今後、息子がお金に興味を持って、数の理解が深まってくれれば、「②使うお金」の比率を大きくしてあげようと思っています。
貯めている①と③も、渡すタイミングは保護者次第なので、中学生になって参加したい活動など出てきた時や、高校生になって友人や彼女とTDLでも行く時にか、どーんと渡してやろうと思っています。
人のために使うお金④も、現在のところは貯める一方なんですが。今後お友達の誕生会に呼ばれることがあれば、家計から慌ててプレゼント代を出さなくて大丈夫という意味で、母にとっての安心でもありますね。(本当は、母の日や父の日や敬老の日なんかに思い出して欲しい〜)
⚫︎おわりに
今回は、我が家のお金教育「お小遣い」について、挫折談も赤裸々に書き残しました。
絵本『ビーバーとどろぼうのすてきなひろいもの』発売日11月20日をいよいよ来週に控え、発売前に、この記事はどうしても書いておきたいと思いました。なぜなら、、、お金テーマの絵本を出すにあたって、「きっとこの絵本の作者さんはしっかりもので、自分の子にもちゃんとお金教育できているだろうな」と思われそうで、「そうでもないのが現実」ということをエクスキューズしておきたかったからですかね。(^^;;
絵本のストーリーには、たくさんの想いや願いを詰め込んでいます。その中で「お金の教育」というキーワードを盛り込んで発売いたしますが、具体的なものではなく、概念的な大枠、お金教育に入るちょっと前に考えて欲しい内容になっています。
お金とは、盗んだり誰かを傷つけて手に入れても意味がない、紙切れ同然のもの。
好きなことや得意なこと、自分のできることをして、誰かを喜ばせた結果、お金が自然と流れてきて、それをまた、周りを良くするために使う。
そんな「幸せなお金の流れ」の中で生きていきたいものですね。
こどもたちが心に描く世界に、期待を込めて。